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白玉だんごの英語遍歴

この文章はハワイ在住中の2000/3/23に書き下ろしました。
後半の「躍らされる一般人」論にもご注目ください。



「白玉さんってどうやって英語覚えたんですか?」とハワイでも日本でも、白玉はよく訊ねられます。・・・が!「いや、高校でやっただけなんです〜」と言うと皆さん意外な顔をする。留学経験とか、ホームステイしてたとか、何かあればいいのですが、海外の長期滞在は今回のハワイ赴任が全くの初めて。自分でもなぜ英語がそこそこ得意なのかよく判っていないのですが、いままでの英語遍歴?をちょっと申し上げましょう。

英語に触れたのは中学の授業が初めてです。地元に英語塾もあったけど興味が無くて行きませんでした。クラスメートは多く通ってましたけど。中学のときは何も考えなくてもそこそこ成績がよかったので、せいぜい「英語係」となって当時のオープンリールテープデッキを授業前に教室に運んで英語の歌を聴かせるとか、そんな仕事をしてただけ。ただし早い時点で発音記号をマスターし、大きな声で音読するのは忘れませんでした。高校の時にはクラスで名指しで誉められたほど。白玉にとって、英語は耳で覚えたようなものですね。

高校に入ると科目別の違いが出てきました。英語・国語は得意で数学・物理が苦手。抽象思考より具体的な単語・事例に興味を持つタイプだったと判明し、いつのまにか「英語といえば白玉だんご」と呼ばれるようになりました。辞書を引いて意味が判明するのが面白く、辞書も引いた単語に赤印をつけまくり、教科書の単語はもちろん、外来語のスペルを予想して引いたり、ひまつぶしに赤ペン片手に辞書を読んだりしておりました。赤線は初めて目にした単語に下線2本、前に見た(耳にした)覚えがある単語は下線1本。予習はノート左ページに4行おきに本文を文節区切りで書き写し、空白の1行目は単語を調べて埋め、2行目は自己流返り点?方式で日本語訳を文節ごとに書いて埋めます。空白3行目と右の真っ白なページには、授業のノートを赤ペンで記入。予習部分もバンバン訂正。このノートは好評で、定期試験前には隣のクラスから借りに来る人もいるほどでした。

そんなわけで高校時代の英語の成績は学年270人中常に2位。(1位はいつも、当時の AFS 留学から帰国して同学年になった年上の女の子)ただし数学は学年下から2位で(笑)物理に至っては赤点取得。一枚の通信簿に(10段階評価で)1の科目から10まで並んでたこともある、ずいぶん偏った学生でした。ともあれ、周囲から「白玉さんって、英語だけはすごいよね」とおだてられ、「わたしの訳は英文和訳じゃなくて翻訳だ」なんて、今から考えると赤面ものの自負心を持っておりました。だから当時からの知り合いは、いまだに 「白玉さんって英語の先生になるとばっかり思ってた」とおっしゃいます。

大学は私立文系にいくつか受かったものの、家庭の事情で苦手の共通一次を中途半端な成績で取り、結局某国立大学人文学部へ。2年目に専攻を決めるとき「語学は好きだけど言語学や文学は嫌い」と英文科を蹴り、比較文化史みたいな専攻を選択。このコースでは教職は社会しか取れなかった(し、取らなかった)ので、白玉が先生になるという話もここで終りです。高校時代唯一の得意科目だったのに、もったいないことを?でも当時はやりたいことをやって過ごした気楽な時代。英語についても一応資格試験対策講座や高価なテープ教材を買ってはみたものの、「教材を買えばペラペラになった気分になる」というよくある錯覚で、積ん読教材を買い込んではバイト代を消すという、もったいないお金と時間の使い方をしておりました。Time・通訳ガイド講座・雑誌とテープがセットで届く通信講座。これらの教材は引っ越すときに手放しちゃったけど、今、手元にあったらどうしているかな?でもやっぱり、まじめに開いたりはしなかったと思うなぁ。いちおうこの時期に英検準一級を取りました。今は準一級はもっと難しくなっているそうなので、これから再度受け直したとしても、受かる自信は全くありません。

さて、大学卒業を前に就職活動。英語力はあるもののこれを仕事にしたいとは全く思わず、「怖いもの見たさ」で苦手なコンピュータ業界の某社に就職。社会人になってしばらくは、英語と無縁の生活を送りました。会社の課外研修で半年ほど英会話教室に通ったことはありますが、「上級」クラスも物足りなくて、あまり続かなかったなぁ。このとき教室で取ったのが、TOEIC 690 というスコアです。これも現在までにすでに10年が経過。今受けたら果してどうなっていることやら。

その後転職・結婚などして現在に至りますが、本格的な英語の勉強はすっかりご無沙汰しています。ハワイ赴任が決定直後「じゃあハワイ大学とかに通おうか」と TOEFL を受けて(当時)510点を取りました。一応大学やコミュニティカレッジに入れるレベルでしたが、直後に長女妊娠が判明してこの計画も頓挫。現在は家事育児で余裕がないこともあり、着任のときに持ち込んだ辞書とか英会話の本はあまり真面目に読んでいないです。いっぱい買ってきちゃったのに、どうしよう?

買ってきたといえば、つい先日「子育てしながら在宅で仕事」にあこがれて(笑)翻訳とかのプロになれないかと真剣に悩んだ時期がありました。業界雑誌を読み「プロはこの辞書・この教材を使う!」とあればそれを買い、実力をつけた「つもり」でまたまた積ん読。白玉ダンナはこの辺実に冷静で、後日白玉が翻訳を志すことについて彼に意見を求めたところ「へ〜あんな雑誌に踊らされる人もいるんだね〜」と手厳しいコメントが始まりました。

「君が持っていたのを見たよ。妙にいい紙使って広告ばっかで、<わたしはこうしてこの分野のプロになりました>なんて記事ばっかりの雑誌だろ?あれは単なる広告本と同じだよ。読者投稿欄が異常に多いのは費用削減のためだし、ひょっとしてその出版元で、養成講座とか学校とか、検定試験やってないかい?」・・・確かにそこの広告が一番ページを食っているなぁ。「そういう一般向けのちょうちん雑誌が出るようになった業界は、実はもう、新規参入の余地は多くなかったりするのさ。ぼくは雑誌のライターをやってたこともあるし、今の業界で学校や検定試験から入った人を何人も見ているけれど、どの世界でも本当のプロは、そんな雑誌(や検定試験)が無くたって、なるべくしてプロになってるよ」

・・・白玉ダンナも一応、好きで続けてきた仕事がたまたま現在注目を集めている業界の人。「好きこそ・・・」で生計を立ててきた彼の話を聞いていると、白玉自身はそういう「その道一筋」のグループではなく、それ以外の「躍らされる一般人」に入るんだなと認めざるを得ませんでした。くやしいけど発想が違うんです。そんな訳で彼に反対されてやる気がそがれたこともあり、(まぁ白玉の決意も結局その程度のものだったんです;)またそういう業界誌で知った「翻訳者に求められる資質」(最低 TOEIC 800〜900点レベル。一匹狼で自分を売り込む自負心と、家庭を二の次にしてでも納期を守るプロ根性。長時間机に向かう体力と根気。etc.)に自分が追いつかないのを悟り、「踊らされて翻訳の道をめざす」のはやっと断念しました。本当に、白玉ダンナは白玉の羅針盤みたいな存在です。でもでも、それならあんなに本や辞書を買い込む前に、彼に相談すればよかったな。利率の良かったへそくりも、解約しないで済んだのに・・・(涙)


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