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◆「Hair Cutting Ceremony MOLAs」2枚組◆

【以下の紹介文は「ちくちく日記・2002/1/31付」を一部引用・加筆しました】
南国系の手芸としてはハワイアンキルトのほかに、南米パナマの「モラ」にも興味を持っている。
無地のブロードを数枚重ねにしてリバースアップリケでパターンの線を何重かにふちどったカラフルな作品群。
(中略)生の作品のひとつは手元に欲しいので、モラの通販サイトで一組(2枚)を購入してみた。

届いてみると、現物は写真よりもずっと素晴らしい手仕事なので驚き、見とれてしまった。
観光客向けの簡単なパターンの小品と違い、おそらく母親が娘のために心をこめて縫い上げたのだろう。
日本の手芸本に紹介されているテクニックよりもアップリケが立体的で、デザインも面白い。
周囲には仕立てた跡、全体には何度も洗濯された色あせや縮み。どんな風景で、どんな人が着てたのか。(以下略)
【引用終わり】

・・・写真は白玉愛用の安物デジカメではとても細かさが伝えられないので、知人の高性能なデジカメで
撮影してもらいました。(ご協力ありがとうございました>Mさん)



一枚目全景。モラのふるさと、パナマのサンブラス諸島クナインディオの間に伝わる
成人行事で、女の子が13歳になると髪を切って大人の髪形になる儀式があるのだとか。
それを迎える娘のために、母親が心をこめてつくりあげたモラなのだそうです。
この2枚をおなかの前後に当てる形で袖の布を追加して、T字型のブラウスに仕立てて着ます。
現地のモラ作品がだいたい同じ大きさなのは、仕立て方、利用の仕方が決まっているからなんですね。

作品全体を区切るのは、右に90度傾いた「L」の字形の赤い枠。<外側が黄色、内側がオレンジ>でふちどられています。
その枠の外に魚と鳥3羽、内側に別の鳥とはさみを持った人間の親子が、それぞれアップリケで追加され
それ以外のカラフルな配色布は、そのつど黒ブロードの下に置いて、上から線状にリバースアップリケされています。


二枚目全景。一枚目と同じく土台の赤いブロードに<外側がオレンジ、内側が黄色>の
配色布を重ね、一番上の黒ブロードからくりぬいてあるのが基本構造。
一枚目が<外側が黄色、内側がオレンジ>なので、もともと黒と同じサイズだった
黄色とオレンジのブロードをL字ラインで同形にカットし、内外を交換して二枚組みの
このモラに使っていることが判ります。色数の割に薄く仕上がり、効果的ですよね。


部分拡大図。(一枚目枠内の鳥の左羽の先)質感と仕上げの細かさが伝わりますか?
一緒に写したメジャーの目盛りと比べてみてください。まつり縫いの経験者にはすごい技術だと伝わるはずです。
リバースアップリケのスリットはどれも幅2mm、ということは縫い代はわずか1mmほど!まつり縫いは1cmに6目平均。
細い刺繍糸一本どりのステッチも細かくて、チェーンステッチに至っては、1cmに10目以上もぎっしり施されています。

そしてわたしが特に気に入っている細工がこの写真の右上に。ちょっとした空白を埋めるために
2目だけチェーンステッチが施されているんです。手間を惜しまず技とセンスを駆使して作られたことが
この部分だけ見てもよく伝わってきますよね。ベテランモラ作者のお母さんと、おめでたい
節目の日にこの傑作2枚を贈られたお嬢さん。地球の裏側の顔も知らないお二人のために、乾杯!


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