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白玉一家の住むコンドミニアム(日本で言う「マンション」:500世帯の大規模な建物です)には一ユニットにひとつずつストレージスペースが割り当てられています。駐車場棟にある地下室みたいな部屋に金網で仕切られた半畳ほどの空間がずらりと並んでいて、そこの天井までがその家の荷物置き場にできるわけです。ただし白玉家が借りているユニットでは大家さんがそのスペースに私物を置きつづけているため、白玉たちは利用できません。そこでわたしたちは、一階の掲示板に「ストレージ貸します」とビラを出していた別の階に住むおばあさんに話をつけて、彼女のストレージスペースを月 $20 で賃借り
しているんです。空調の無いスペースだから衣類や本は置けませんが、クリスマス用品とか日本から持ちこんだけど結局使ってない品などを、便利に置かせてもらっています。 プラチナブロンドに薄緑色の瞳をしたこのおばあさん、ことばは多少ゆっくりしてるけど落ち着いた雰囲気のするすてきな方なんです。毎回戸口から垣間見る室内のセンスの良さからも、幸せに年をとってきたのがわかる雰囲気で、このコンドミの部屋を終の棲家にするのだと、杖をつきつき以前語ってくれました。もちろん会話は英語です。 さてこの借り賃は毎月、当方が現金を直接渡しに行くことになっています。白玉は毎月末、部屋を出る直前に電話をしてから出向くため「こんな優良な店子はかつてなかったわ」とだいぶ印象がいいようで、彼女も毎月我が家のこどもたちの成長ぶりを見るのを、楽しみにしてくれているんです。8月は白玉、まや、るなが日本へ一時帰国していたため、一人ハワイに残った白玉ダンナが払いに行ってくれました。そして今回9月末に、白玉は2ヶ月ぶりに、こどもたちを連れておばあさんのユニットをノックしたのです。 すると入り口のよろい戸を開けて出てきた彼女、いつにも増してうれしそうな様子でにこにこしてくれました。「まぁ白玉さん!日本にいらしてたと聞いて心配してたんですよ〜」と、何やら大げさにほっとなさっていらっしゃる。「またお会いできてうれしいわ!」「い〜え〜、先月は夫がお持ちしたので2ヶ月ごぶさたでしたものね」と白玉。するとおばあさん「いえね、まぁ何ですか?日本では核燃料のたいへんな事故があったそうで・・・白玉さんや赤ちゃんたちが巻き込まれてやしないかと気になっていたんですよ・・・まぁまぁ、無事でよかったこと!」 どうやら日本の原発事故のことがこちらの英語メディアでも大きく報道されていたらしく、それを見てから白玉親子のことをずっと心配していてくださったのです。思わぬところで故郷の話とあたたかい心遣いに触れることができて、窓の外のハワイの夕日が、ひときわ輝いて見えました。 |
