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美しい母、パパらしいパパ

この文章は、パティオ「ハワイ生活よもやま話」99/11/14アップ分を元に、99/11/17に再構成しました。


ある日の日中、家事に追われて一度も外出しないうちに日が暮れそうになりました。でもそれじゃあるなはともかく、動きたい盛りのまや(2才1ヶ月)が満足しません。だから日没まであと20分もないけれど、るなをおんぶしまやの手を引き、階下へメールボックスを確認がてら、ちょっとだけお散歩に出かけました。

まやは結局一階のロビーや前庭をうろうろするだけでは飽き足らず、前庭の扉を開けてその先のアラワイ公園まで行くことになりました。広い芝生を横切っていつも犬の散歩をする皆さんが集っているところに顔を出し(わたしたちも常連なんです)、日が落ちて足元があやしくなるまでまやは歩いたり走ったり足踏みをしてにこにこしていました。散歩って白玉にはしんどいけれど、まやのうれしそうな顔を見ると、白玉も「家にこもったままにしなくてよかった!」とうれしく思うものです。

さて話は前後しますが、この日、すでに空が蒼く暮れはじめたころ前庭の扉を(住人に与えられている共有スペース用万能カギで)開けて外に出ようとすると、ちょうど芝生の向こうから、散歩を終えて戻ってきたらしいスニーカー姿のおばさんが来るのが見えました。フェンスの扉のすぐ外側だから、すれ違った場所では塀に取り付けられたオレンジ色の外灯が、わたしたちを丸く明るく照らしています。その光の中で彼女はにこにこしたまやと、人見知りもせずおばさんを見ているらしい背中のるなを見て、

「Beautiful Babies!(まぁきれいな赤ちゃん達だこと!)」

とこどもたち二人をほめてくれました。こういうのってよくあるもので、白玉も素直に

「Thank you. I'm so proud of them,too.(ありがとう。わたしも二人を誇りに思っています)」

といつものように返事をしました。が、今日のおばさんはそれを聞いてさらに一言、

「You should be! You're a beautiful mother, too.(そうでしょうね!あなたもすてきなお母さんよ)」

うわ〜「美しいおかあさん」だって!(*^v^*)なりふりかまわずお洒落もしていないのにそう言っていただけるとは、母親冥利につきますね。ほめ殺しじゃなくて本当にほめられるのってこんなにうれしかったんだ!

こういう会話を白玉が描写すると、自慢みたいに聞こえるかもしれません。でも、こちらの人ってこども連れのお母さんを見かけると、白玉じゃなくても話のついでによくほめてくれるんです。日本で「あら二人もいるの、たいへんね〜」と言われてたのに比べると、赤の他人の一言がずっとうれしく思えるし、こうやって周囲が温かく見守っていてくれるとわかると、育児にも張り合いが出るってもんです。日本でも子連れをもっとおだててくれればつらくないのに!っていつも思います。

さてそのおばさんとの立ち話はさらに続きます。(以下英語の会話だけど原文略)

白玉「遅いし暗いし涼しくなっちゃったけど、これからちょっとだけお散歩なんです。上の子は今日は一日家にこもってたんで、そのへん一周だけでもさせてやろうと思いまして」
おばさん「それは名案ね。(ここでおばさん、すでに暗くなった周囲を見回し)この公園ならあなたも安心よね。暗くなっても照明がつくし、この出口にもこうして外灯があるから見通しはいいしね。」
白玉「ええ。このコンドミのこちら側のお部屋の皆さんも、わたしたちの様子を見下ろすことができますしね。いざとなっても心強いです。」

ああそうか。日没後の外出は、ここアメリカではふつう危ないものなんだった!おばさんに言われるまで気付かなかった白玉も白玉です。この日までいつも平日は、暗くなってから外に出かけたことが無かったもので(^^ゞ

そんなこんなで時刻はもう6時半過ぎ、そろそろ帰って夕食の支度をしなくちゃ!とエレベーターホールに戻ろうとすると、今度はまやと同じくらいの男の子を連れた黒髪の東洋人のママが、こちらに来るのに出くわしました。彼女は韓国人で、郵送で届いたハングルの日刊紙をポストから取って部屋に戻るところでした。でもこどもたちが目を合わせてお互い興味を持った様子なので、まやとその子をロビーの硬い床であんよさせることにして、白玉とそのママはロビーのソファに陣取りました。

背中のるなをおろしてだっこしてもらいながら、彼女と(英語で)いろんな話をしました。男の子はまやよりほんの一ヶ月早いだけの生まれで名前は「イカイカ君」。イカイカ?(笑)と思ったけれどこの名前にはちゃんといわれがあるんです。ハワイ語の ikaika = strong and power からとったのだそうで、日本で言うなら「つよし君」「ちから君」ってところでしょうか。白玉もまやの名前が midnight、るなの名前が the moon って意味だと話しました。イカイカ君はまやより一ヶ月早く生まれただけなのに、まやよりもずっと幼児らしく、パワーレンジャーやポケモンのポーズの真似が上手でした。ちょうど彼女のハングル新聞に「ピカチュウ」の写真が出ていたので(映画が公開された関連かな?)とその話をしていると、突然記事の脇の四角い広告を指差して「これがわたしの主人の広告なのよ」

「え?じゃあご主人、ご自分で事業をやっていらっしゃるの?」と白玉。
「そうよ。あなたはここの33階にお住まいだっておっしゃったけど、うちはさらに上の 35階ペントハウスに住んでいるの」

ペントハウスといえばこの36階建てコンドミの、最上階の2フロアを縦につなげた広い部屋。マンションなのに室内に階段があり、廊下からの入り口も、ドアが2枚観音開きになっている、お金持ちの住むところです。わ〜!奥さん!(失礼だけど)とてもそうは見えませんでしたよ〜!

「あ、じゃあそろそろお家で夕食つくらなくていいの?」と白玉がたずねると
「うちの主人は毎晩遅いから、今日もゆっくりでいい」とのこと。だから白玉も、
「うちも遅くてね〜夕方公園にこどもと来ているよそのお父さんがうらやましくて」と思わず同感。
こんどはお互いお部屋にお邪魔しましょうと話してその日は解散と なりました。

そう、こちらの白人系のパパ達は夕方定時に家に戻り、日没までこどもと一緒に公園で遊ぶ人が多いんです。公園でパパ友同士が座って談笑している光景もよく見かけます。お父さんたちは仕事のほかに育児も重要な仕事として積極的に手がける場合が多いと聞いたことがあり、朝が遅く夜も遅い白玉ダンナとえらい違いだよ〜〜(涙)といつもうらやましく思っていたものです。でも、韓国人にもけっこう勤勉な方がいるんですね。もちろんイカイカ君のパパの例だけでは何とも言えませんが。公園に行くだけがいいお父さんの条件ではないのだな!と「公園パパうらやましがり度」をちょっぴり下げた、白玉でした。


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